人材ポートフォリオとは?【作成方法や注意点、メリットをご説明します】

記事更新日:2023年01月16日 初回公開日:2023年01月16日

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社内の人材の能力を最大限に発揮させるためには、適切な人材配置が求められます。効果的な人材配置を行うにあたって、社員の能力や構成について正しく把握ししたうえでよく分析を行う必要があるでしょう。人材ポートフォリオを用いることによって、そうした分析を効果的に行うことができます。この記事では人材ポートフォリオを作成するメリットや、具体的な作成方法などについて分かりやすく解説します。人材のマネジメントを改善して生産性を向上させたいとお考えの担当者の方に役立つ内容ですので、ぜひ最後までご一読ください。

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人材ポートフォリオとは

企業の事業活動に必要な人材の構成を分析したもの

人材ポートフォリオとは、企業の事業活動に必要な人材の構成を分析したもののことです。経験やスキルの異なる人材を適切なポジションへ配置することによって、組織全体の生産性を向上させるための手法のひとつです。社内のどこにどのような人材がいるのかを示し、これらの組み合わせについて分析を行います。人材ポートフォリオを活用することによって社内の人的資源を可視化して、人材配置だけでなく今後の採用活動などにも役立てることができるでしょう。

人材ポートフォリオが必要な背景

予測不能な時代に対応するため

予測不能な時代に対応するために、人材ポートフォリオが必要とされています。近年では新型感染症などの影響もあり、企業とそれを取り巻く環境は目まぐるしく変化を続けています。それと同時に、リモートワークなどをはじめとする新しい働き方も普及しており、社内の人材活用もそれらに対応させるために見直しを行う必要が出てきました。人材ポートフォリオで社内の人材配置を分析することによって、今後起こりうるそのような環境の変化に対応しやすくなるでしょう。

人材ポートフォリオを作成する目的

採用活動の戦略を立てる

人材ポートフォリオを作成する目的として、採用活動の戦略を立てるということが挙げられます。人材ポートフォリオを作成することによって、社内の人材の現状について把握することができます。例えば人数の不足している年齢層や役職などがあれば、今後の採用活動における対策も打ち出しやすくなるでしょう。組織における現時点での課題を人材ポートフォリオによって明らかにして、不足している人材を効率的に獲得するための採用戦略へとつなげていきましょう。

今の企業で何を育成すべきか分かる

今の企業で何を育成すべきかについて分かるということも、人材ポートフォリオを作成する目的のひとつです。人材ポートフォリオを作成する過程において、現状として不足している人材の数やスキルについて明確にします。必要に応じて研修などを行うことで、既存社員に対して効果的な育成が可能となることが期待できます。漠然と新たな人材の獲得や研修制度といった取り組みを実施するよりも効果的な育成を行うことができるでしょう。

外部環境の変化に対応できる

人材ポートフォリオを作成することで、外部環境の変化に対応することも期待できます。近年では特にさまざまな働き方が普及しており、同じ企業においても異なる働き方をする社員がいるということは珍しくありません。そうした中で各部署において必要とされるスキルや人数について、人材ポートフォリオを作成することで確認することができます。今後も柔軟な働き方を取り入れていく組織においては、人材ポートフォリオは欠かせないものといえるでしょう。

人材ポートフォリオの作成方法

人材の分類方法を考える

人材ポートフォリオを作成するにあたって、まずは人材の分類方法を考える必要があります。一般的には2つの軸を設定し、4つの領域に分類する方法が用いられています。軸の種類としては例えばスペシャリストとゼネラリスト、得意とする業務の種類などが挙げられます。現時点で社内の人間に限らず、組織において将来的に必要となる人材についても視野に入れておきましょう。事業内容や経営方針に沿って、必要な人材を設定することがポイントです。

決めた分類に従業員を当てはめていく

分類方法を決めたら次に、それに沿って実際に従業員を当てはめていく作業に移りましょう。当てはめる際には主観的な評価ではなく、なるべく客観的かつ幅広い視点からの評価によって分類しましょう。社員が持っている資格や経験を可視化し、必要に応じて適性検査などを実施するというのもひとつの方法です。分類される社員をはじめとして、誰が見ても納得のいくような割り当てができるように、客観的な評価による分類を心がけましょう。

構成比を確認する

人材ポートフォリオの作成においては、社内の人材の構成比にも注意する必要があるでしょう。業務の種類や役職によって、適切とされる人材の数は多少異なります。例えばマネジメントを行う管理職があまりにも不足していると、社員の管理が十分に行えていないというケースも考えられるでしょう。専門知識を持つ人材の割合や若手人材の割合など、長期的な視点でどのような人材が不足してしまいそうなのかを念頭に置きながら人材の配置を考えていきましょう。

目標に近づけるための施策を考える

目標に近づけるための施策を考えることで、人材ポートフォリオをさらに効果的に活用することができます。理想としている人材配置に対して、現時点ではどのような課題があるのかを明確にします。課題を改善するための方法として、さまざまな施策が考えられるでしょう。具体的な施策としては、人材配置の変更や新たな人材の採用、さらに退職や解雇といったものが挙げられます。これらの施策をうまく組み合わせることによって、理想の人材配置を実現させていきましょう。

人材ポートフォリオを作成するメリット

事業内容に合わせた人材配置ができる

人材ポートフォリオを作成するメリットとして、事業内容に合わせた人材配置ができるということが挙げられるでしょう。人材ポートフォリオを作成するにあたって、社員の強みや課題、キャリアなどについて詳しく把握することができます。個人の能力や業務への適性に応じた人材配置をすることができ、事業内容にもマッチさせやすくなるでしょう。事業内容や社員の強みに合わせた人材配置をすることができれば、社員のモチベーション向上にもつながります。

従業員一人一人の特性が明確になる

従業員一人一人の特性が明確になるということも、人材ポートフォリオを作成するメリットといえるでしょう。組織の規模が大きくなってくると、社員個人の特性について把握することが難しくなってきます。人材ポートフォリオを作成する際にはそうした特性について明らかにする必要があるため、必然的に社員の能力を明確にすることができるでしょう。社員の能力の理解は企業への満足度にもつながるため、適切な分析を行った上で人材ポートフォリオを作成しましょう。

多様化するキャリア支援に対応できる

人材ポートフォリオを作成することで、多様化するキャリア支援に対応できるというメリットもあります。先述の通り、人材ポートフォリオには社員一人ひとりのキャリアプランなどについて把握することが必要です。近年ではキャリアに対する考え方が多様化しており、企業としても社員のキャリアに沿った教育や業務を与えることが重要となります。適切なキャリア支援を行うことができれば、企業へのエンゲージメントも向上するでしょう。社員のキャリア支援のためにも、適切な人材ポートフォリオを作成しましょう。

人材の過不足が分かる

人材ポートフォリオを作成することによって、現状における人材の過不足を明らかにすることができるでしょう。現時点において割合が多い人材と不足している人材の種類を把握することで、新規人材の採用活動や既存社員への教育などにおける適切なアプローチを検討することにつながります。人材の分類については雇用形態や年齢層などさまざまなものが考えられるため、人材ポートフォリオを活用することによって多面的な分析を行いましょう。

人材ポートフォリオ作成時の注意点

人材のタイプに主観で優劣をつけない

人材ポートフォリオを作成する際には、人材のタイプに主観で優劣をつけないように気をつけましょう。人材ポートフォリオの目的は適切な人材配置を目指すことであり、社内の人材に優劣をつけることではありません。主観的な評価で優劣をつけてしまうと、その結果として偏ったタイプの人材が増えてしまうことが考えられるでしょう。多様性のある組織を目指すといった面から考えても、人材ポートフォリオの作成においては人材のタイプによって優劣をつけないように注意しましょう。

従業員の考えを反映させる

従業員の考えを反映させるということも、人材ポートフォリオを作成する時の注意点として挙げられます。企業側の一方的な視点によって人材ポートフォリオを作成すると、社員の能力を十分に発揮できない可能性があります。さらに人材配置への不満が募った場合には、退職などといった最悪のケースも考えられるでしょう。現場社員の要望や考えなどもヒアリングしつつ、組織全体で人材ポートフォリオを完成させていく意識を大切にしましょう。

時間を長めに見積もっておく

人材ポートフォリオの作成にかかる時間は、長めに見積もっておきましょう。人材の分析やヒアリングなど、人材ポートフォリオは組織全体を巻き込みながら作成していくことになります。そのため短期間で作成するのは難しいでしょう。先述の通り人材ポートフォリオは、企業のこれからの採用活動や人材配置に大きく影響を及ぼします。繰り返し分析と議論を重ねることによって、長期的な視点で人材ポートフォリオを作成していきましょう。

雇用形態を問わずに分類する

人材ポートフォリオを作成する際には、雇用形態を問わずに分類するということも大切です。雇用形態を限定して人材ポートフォリオを作成すると、効果的な分析が実施できない場合があります。例えば正規雇用者のみを対象とする人材ポートフォリオを作成してしまうと、非正規雇用者が担っている業務を無視してしまう可能性があるでしょう。雇用形態を問わずに分類を行うことによって、実態を正しく反映した人材ポートフォリオを作成することができるでしょう。

まとめ

人材ポートフォリオを活用して適切な人事戦略を立てよう

人材ポートフォリオの作成方法や、作成における注意点などについてお分かりいただけたでしょうか。人材ポートフォリオは適切な人材配置を行なって生産性を向上させるだけでなく、社員の満足度向上なども期待できます。作成の際には社内のさまざまな人間を巻き込むことによって、全員が納得のいく人材ポートフォリオを作成することができるでしょう。人材ポートフォリオを採用活動などにも活用することによって、適切な人事戦略を立てていきましょう。

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